播磨物語

地域活性化プロジェクトとは

私たち香寺ハーブ・ガーデンは、平成19年(2007)10月に経済産業省の「中小企業地域資源活用プログラム」に基づく商品開発の支援先の認定を受けました。
中小企業地域資源活用プログラムは、同年6月に施行された「中小企業地域資源活用促進法」に基づき、独立行政法人・中小企業基盤整備機構が、特産物や伝統技術などの地域資源を活用して新商品の開発に取り組む中小企業者に対し様々な支援措置を講じるものです。 当社ではこのプログラムがスタートするのに先立ち、窓口として設けられた近畿地域資源活用支援事務局支部に相談。親身なアドバイスを受けて「西播磨・但馬のゆずと茶で、高品質の国産ハーブ(無農薬一貫栽培)と組み合わせ、当社独自開発の発酵技術を使い、新規のユズハーブティーや緑茶エッセンシャルオイルなどを開発・販売する」旨の事業計画を提出。その計画の趣旨や内容が同機構に高く評価され、支援先の認定をいただくことになったものです(兵庫県内で認定されたのはわずか4社でした)。
同機構の支援は、新商品の研究開発だけでなく、市場調査、商品企画、販路開拓、事業性の評価等、多岐にわたり、「商品開発の入口から出口まで」サポートしようというもので、当社もこの支援を受けて年度ごとに事業目標や実施計画を立て、ゆずエッセンシャルオイルの商品開発(平成19年度)、大阪・梅田の阪急三番街に直営店オープン(20年度)、ゆずや茶の石けん・シャンプーの研究開発などに取り組んできました。
当社では今後もゆず、茶、ハーブなどの地域資源を活用し、当社が培ってきた独自の抽出・発酵技術を駆使して独創的な新規商品を開発するとともに、需要開拓と事業化の達成を図り、これまでの温かいご支援にお応えしていきたいと考えています。

播磨物語とは

「播磨物語」とは、原材料からその容器に至るまで、できるだけ地元播磨(一部は但馬・丹波産)の素材を 用い、しっかりとした生産履歴(トレサビリティー)を持ち、使っていただく方々や食していただく方々に 心から安心してご愛用いただくために、私たち香寺ハーブ・ガーデンがお届けしている化粧品、浴用剤、食 品、飲料などの共通ブランド名です。 これまでに商品化された「播磨物語」は、
● ゆずやお茶を利用したパン、クッキー、ケーキetc
 (ゆずとさつまいものケーキやお茶のクッキーなど)
● ゆずのエッセンシャルオイル
● ゆずのクリーム
● ゆずの浴用剤
● ユズハーブティー
などで、もっか研究開発中の商品としては
● ゆずのシャンプー

● ゆずの石けん
● 緑茶のエッセンシャルオイル
● 緑茶の石けん
などがあります。
素材となるハーブは当社(姫路市香寺町)の無農薬一貫栽培のもので、緑茶はいっけん農園の池本晃市さん (朝来市立脇)、吉川茶園の吉川彰治さん(朝来市八代)が供給してくださる無農薬栽培のお茶、ゆずは兵 庫西農協神崎ゆず生産部会(神河町粟賀)、安富ゆず組合(姫路市安富町)供給の無農薬のゆずで、ケーキ 等に用いる小麦粉は生産履歴がはっきりした北海道産のものを使用しています(将来的には地元産の小麦粉 が使えるよう、ミナミアカリという品種の小麦の栽培を地元の農家の方々にお願いしているところです)。
さらにクリームの容器類も、たとえばゆずクリームの容器には立杭焼・丹文窯の大西文博さん(丹波篠山市 )に試作していただいた白立杭を用いることを計画するなど、但馬・丹波の一部を加えた幅広い意味での地 元「播磨」の素材と人にこだわっています。

播磨物語の想い

一つの商品を作り上げるには
たくさんの人々の想いと物語がなければ完成しません。
多くの人から素材をい ただき はじめて一つの商品が出来上がるのです。
播磨の地で、こだわりを持った人々が作った
素晴らしい素 材を分けていただき
改めて、地元「播磨」の素晴らしさに感動し
感謝しながら、ひとつひとつ大切に作り上 げました。

これは香寺ハーブ・ガーデンが初めて「播磨物語」ブランドの商品を世に送り出した時に添えた私たちからのメッセージで、この想いは当時も今もなにひとつ変わるものではありません。
たとえば、私たちに緑茶を供給していただいている池本晃市さん(朝来市立脇)は、私たちと同じく「自然との共生」を願い、人や環境に優しい緑茶の完全無農薬栽培に取り組んでおられる方で、非常に困難だとされている無農薬での栽培技術を持った若き農業人です。
ほかにも無農薬でゆず栽培に取り組んでおられる農家の方々、今はまだ計画段階ですが、新商品のために無添加のお味噌や調味料を考えてくださっている方々など、私たちは播磨の地でこだわりを持った人々が作った素晴らしい素材を分けていただいています。
素材だけではありません。私たちの研究開発には地元播磨の兵庫県立大学や姫路獨協大学をはじめ大阪大学、関西大学などの先生方、兵庫県農業技術センターや兵庫県工業技術センターの研究者の皆さん、中小企業基盤整備機構をはじめ国や県からも多大なご協力とご支援をいただいています。
私たちが消費者の皆さんにお届けしている「播磨物語」は、こうした多くの方々の想いと物語があってこそ完成したものばかり。それらの想いと物語を商品に託して、末永くお客様のもとにお届けしたいと願っています。

新製品の研究開発

開発秘話
「秘話」と呼ぶほど大げさなものではありませんが、私たち香寺ハーブ・ガーデンが進めている「 西播磨・但馬のゆずとお茶に無農薬一貫栽培のハーブを組み合わせた新商品を開発していく」過程には、幾つかのストーリーが秘められています。それらを簡単にご紹介しておきましょう。

● 独自の抽出・発酵技術の開発
私たち香寺ハーブ・ガーデンは、昭和59年(1984)に開園以来、研究開発型のハーブ園として農薬や除草剤を使わずにハーブを育てる一方、大学や研究機関のご指導のもと、抽出技術や発酵技術を学んでまいりました。
こうして獲得した抽出技術により、当社ではハーブの有効成分、色素、香りを別個に取り出す独自の抽出機の開発に成功。その技術をハーブティーやハーブパウダー、ハーブを使った化粧品などの商品化に生かすとともに、長年培ってきた発酵技術を用いて、ゆずやお茶にハーブを加えて発酵させ、発酵過程で得られる二次代謝物質を抽出し、どこにも類のない高機能のエッセンシャルオイルを作っています。

● 探し求めていたお茶との出会い
私たちは地元産の安全・安心なゆずとお茶に、自社製のハーブを組み合わせた新商品の開発を志してきましたが、ゆずが播磨(姫路市安富町と神崎郡神河町)で無農薬栽培されているのに対し、無農薬でお茶を栽培している産地は播磨にはなく、ようやく出会えたのが播磨の北に隣接する朝来市で完全無農薬のお茶を作っている池本晃市さんでした。
池本さんは日本で数人しかいないという無農薬栽培の技術を持ちながら、産地が小さいためそれほど知られていなかった方ですが、「自然との共生」という当社の想いに共感をいただき、ともに手を携え、池本さんのお茶を使った新商品の開発がスタートしました。
ご承知のように、お茶は飲用に用いる一部の葉を除けば多くが廃棄されています。そこで当社では飲用向けの葉だけでなく、廃棄される葉や茎などの有効利用を考え、お茶のパウダーを練り込んだパンやクッキーやお茶のエッセンシャルオイルなどを商品化。現在ではお茶のシャンプー、石けんなどの商品開発にも取り組んでいます。

● ゆずのシャンプーの開発へ
私たちは播磨で無農薬栽培されたゆずを使ったパンやケーキだけでなく、「お口に入れていただいても安心な」ゆずのエッセンシャルオイルを抽出し、オイルを使ったゆずクリームやゆずの石けんの開発も行ってきました。
他社の類似商品のように合成化学品を使ってゆずの香りを添加したのではなく、正真正銘の天然由来の成分だけを用いたものなので、コスメの本場パリでも「土の香りがする」と大変ご好評をいただきました。現在ではさらに一歩進んで、ゆずシャンプーの開発にも取り組んでいます。
防腐剤を用いずにシャンプーを作るためには、まだまだクリアしなければならない課題が残っていますが、さらに研究開発を重ね、商品化したいと考えています。

● 容器にも安全へのこだわりを
私たちは商品そのものだけでなく、それを入れる容器にも安全へのこだわりを持ち続けてきました。
特に課題となったのが、防腐剤を使用しないという前提に立ったコスメ関係の容器で、その大きなヒントになったのが、古来、紅などの化粧品がその遠赤外線効果を見込んでか、陶製の容器に保管されてきたという歴史的事実です。
そこで私たちは、丹波立杭焼の大西文博さんにお願いして、白立杭の容器を試作。今後もさらに試行を重ね、コスト的にも充分見合った容器作りを実現していきたいと考えています。